Book Lounge Tagomago甲府店

Tagomago甲府店◆甲府市朝気のブックラウンジです♡ 詳細はTwitter@tagomago_kofu もしくは http://tagomago-kofu.fem.jp/♡

バディ・ブロマンスを感じさせる商業BLまんがの話

2020年夏、今現在、のっぴきならない理由でバディもの、ブロマンスものに強く惹かれている方、昨年比の500倍くらいいるんじゃないでしょうか?私は占い師なので確かめずともこの世の真理がわかってしまうのです。ごまかす必要はありません。隠す必要はありません。認めてください。首を縦に振るだけでいいのです。

 

ということで今回はお気に入りの商業BL作品より、二人で一つ的な、バディ的な、ブロマンス的な、稲妻のように生きている的な、お前はどうしたい?返事はいらない的な、そういう関係性を想像させる作品をピックアップしてご紹介します~!

 

夏目イサクさん「飴色パラドックス

f:id:tagomago_kofu:20200817143203j:plain

定期的に夏目イサク先生の話してないか?という気がしますけれども、夏目イサク先生の話についてはできれば死ぬまで週二ペースを保ってコンスタントにしていきたい所存です。ということで先生の代表作である飴パラちゃん。

出版社に勤める主人公・尾上が希望もむなしく週刊誌を扱う部署に配属され、苦手なカメラマン・蕪木とタッグを組まなければならなくなって……というところからスタートする人気シリーズ。はじめはケンカにつぐケンカばかりだった二人が、仕事を通じて互いの能力を認め合いながら信頼関係も結んでいき、なんと!実は!重大なネタバレなんですが!!このあと二人は付き合っちゃうんですね~~ウワーーイありがとう!!

夏目イサク先生作品がなぜこんなにも魅力的なのか、支持を得ているのかといえば、今作も含め、夏目イサク先生キャラクターは「いい意味で恋愛史上主義でない」からだと思います。これがもう本当に魅力です。自分のやりたいこと、活躍するフィールド、命を燃やして向き合いたい課題など確固たるものあり、まるで自らの生きる役目かのようにそれらに向き合いながら、でも恋人が困っていたら自分のことを後回しにして助けるし恋人に救われることもある、このバランスがまじでアツくて最高に最高なバディなんです!!!

「攻めが受けを守る」という構図だけでなく「受けが攻めを助ける」こともままあるのがもうマジマジでLOVE。蕪木も尾上も仕事に対してめちゃくちゃ真摯で手を抜くことが一切なく、果たすべき目的のために必要があれば身でも首でも差し出す覚悟がありそうなところが本当~~~~に好きで、でもお互いナチュラルに「俺がやるのはいいけどお前はだめ、お前がそこまでやる必要はないしお前は毎日健やかに幸せに生きてくれ」感がビッシビシに伝わってきてですね、一読者としては「いや二人まとめて幸せになってくれや~~!!!」と心から願わずにはいられないんですね。HAPPY WORLDってどっちが入ったらどっちかは出なきゃいけない激狭ワールドではないじゃん、だからもう二人で入ってくれたらそれでいいんだよ……それがあなたの幸せであり相手の幸せであり全オタクの幸せでもあっからよ……って思いを胸に、初詣でも七夕でもどんな機会でも「かぶおのが幸せに生きてくれますように……」と願い続けています。二人が添い遂げるさまを一生をかけて見守りたいカップルです。同じ墓に入ってくれ~~そしたらまとめて墓参りに行くから……アッでもやっぱり私より先に死なないでください幸せに生き続けてください頼みます(情緒不安定おたく)

 

雨隠ギドさん「密室の密かな星」

f:id:tagomago_kofu:20200817143033j:plain

続いてこちら、「甘々と稲妻」等でおなじみの雨隠ギド先生。BLも百合も一般レーベル作もなんでも描かれる、そして軒並みおもろいというそれはもう中華も和食もイタリアンもフレンチも作れます系料理人みたいな、向かうところ敵なしな作家さんです。

今作は学生時代の同級生がたまたま隣同士の物件に探偵事務所をかまえてしまったところから、ひとつの案件にふたりで協力して向き合うようになっていく……というお話。探偵バディという雰囲気でもありその実、ゴリゴリのライバル関係でもある二人が協力していくさまが素敵です。だって端的に同業他社ですよ、国道沿いのバカデカセブンイレブンの敷地内にローソンが建つみたいな状況ですよ、その状況で食い合うことなくお互いに手を取り合っていく二人、大人の鑑すぎるじゃん……。

作品の後半、とある重要な事実が明かされる展開になるのですが、独白からのエンディングまでの駆け抜け方が大変ドラマチックであり、そんでまた後日談の日常描写とスケベ話がめっっっちゃくちゃ良くて、満足感と破壊力に燃え尽きることうけあい。本当にもうとんでもない破壊力なんです。破壊力が高すぎてパッて顔あげたら自分の周り荒れ果てた荒野になってましたからね。本当です。真実ですよ。

とにもかくにもギャグパートからハラハラミステリー展開、泣けるパート、ほっこりパートまですべてを網羅した作品なのでとりあえず読んでほしいです。私が10年前のギャルだったら「とりま読んでみw」と言いながら道行くすべての人のかばんに今作を押し込むというテロを仕掛けていた可能性があります。そのくらい良!です。何度も言うけど特に後日談。この他愛ない日常+スケベも、あらゆる問題が解決したからはじめて得られる「他愛なさ」なんだよな~と思うとマジでガチで結構エグめに泣いてしまいます。泣かすな!大の大人をスケベで泣かすな!スケベだな~と思いながら泣くという感情の大渋滞引き起こさすな!

 

 

ここからはちなみにのお話なんですけれども、なんと飴パラと密室、公式でコラボしています。なんと………それぞれの先生が………自キャラと相手キャラを絡ませた………クロスオーバーまんがペーパーを………描いておられます………!!神々がこうして神々のお遊びをおたしなみになられたあと、我々にその片鱗を見せてくださる現象、神々の理想郷(アルカディア)って名づけていい?神々の理想郷(アルカディア)、いつでも何度でも待っています……。

 

ということでバディ・ブロマンスのおすすめ作品でした。