Book Lounge Tagomago甲府店

Tagomago甲府店◆甲府市朝気のブックラウンジです♡ 詳細はTwitter@tagomago_kofu もしくは http://tagomago-kofu.fem.jp/♡

Tagomago甲府店からの大切なお知らせ

運営からきたときにゾッとするメールタイトルと同じテンションのブログタイトルですみません。

 

ご報告です。

 

誠に勝手ながら、10月10日(土)をもちまして閉店いたします。
突然のご報告となり、大変申し訳ございません。
ご愛顧いただき、誠にありがとうございました。

 

これまでに寄贈いただいた本の中で引き取りたいタイトルについては、郵送(料金はこちらでもちます)か、11月末まででしたらお手数をおかけしてしまいますが店頭でのお渡しができますので、Twitterアカウント@tagomago_kofu、メールアドレスtagomago_kofu@yahoo.co.jp等からご相談ください。
(個別のご連絡ができず大変申し訳ありません…)

 

表面的には閉店という形ではあるものの、これは事実上の「解脱」です。形を失い概念と化す、つまりTagomago甲府店は現在もそしてこれからも、変わらず甲府市内にあり、同時に皆さまの視界の片隅にいつまでも居続ける残像のようなものです。残像により営まれる生活、そして開けていく未来。我々は常に生きるのではなく生かされている、そういうことです。わかっていただけるでしょうか?私はわかりません。

 

سنغلق المتجر في 10 أكتوبر (السبت).
نعتذر عن التقرير المفاجئ.
شكرا لدعمكم المتواصل.

 

فيما يتعلق بالعناوين التي تريد استلامها في الكتب التي تبرعت بها حتى الآن ، يمكنك إرسالها بالبريد (ستكون الرسوم هنا) أو بحلول نهاية نوفمبر ، ولكن يمكنك تسليمها في المتجر

 

ALL YOU NEED IS LOVE. Bye-Bye. Chu!

 

バディ・ブロマンスを感じさせる商業BLまんがの話

2020年夏、今現在、のっぴきならない理由でバディもの、ブロマンスものに強く惹かれている方、昨年比の500倍くらいいるんじゃないでしょうか?私は占い師なので確かめずともこの世の真理がわかってしまうのです。ごまかす必要はありません。隠す必要はありません。認めてください。首を縦に振るだけでいいのです。

 

ということで今回はお気に入りの商業BL作品より、二人で一つ的な、バディ的な、ブロマンス的な、稲妻のように生きている的な、お前はどうしたい?返事はいらない的な、そういう関係性を想像させる作品をピックアップしてご紹介します~!

 

夏目イサクさん「飴色パラドックス

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定期的に夏目イサク先生の話してないか?という気がしますけれども、夏目イサク先生の話についてはできれば死ぬまで週二ペースを保ってコンスタントにしていきたい所存です。ということで先生の代表作である飴パラちゃん。

出版社に勤める主人公・尾上が希望もむなしく週刊誌を扱う部署に配属され、苦手なカメラマン・蕪木とタッグを組まなければならなくなって……というところからスタートする人気シリーズ。はじめはケンカにつぐケンカばかりだった二人が、仕事を通じて互いの能力を認め合いながら信頼関係も結んでいき、なんと!実は!重大なネタバレなんですが!!このあと二人は付き合っちゃうんですね~~ウワーーイありがとう!!

夏目イサク先生作品がなぜこんなにも魅力的なのか、支持を得ているのかといえば、今作も含め、夏目イサク先生キャラクターは「いい意味で恋愛史上主義でない」からだと思います。これがもう本当に魅力です。自分のやりたいこと、活躍するフィールド、命を燃やして向き合いたい課題など確固たるものあり、まるで自らの生きる役目かのようにそれらに向き合いながら、でも恋人が困っていたら自分のことを後回しにして助けるし恋人に救われることもある、このバランスがまじでアツくて最高に最高なバディなんです!!!

「攻めが受けを守る」という構図だけでなく「受けが攻めを助ける」こともままあるのがもうマジマジでLOVE。蕪木も尾上も仕事に対してめちゃくちゃ真摯で手を抜くことが一切なく、果たすべき目的のために必要があれば身でも首でも差し出す覚悟がありそうなところが本当~~~~に好きで、でもお互いナチュラルに「俺がやるのはいいけどお前はだめ、お前がそこまでやる必要はないしお前は毎日健やかに幸せに生きてくれ」感がビッシビシに伝わってきてですね、一読者としては「いや二人まとめて幸せになってくれや~~!!!」と心から願わずにはいられないんですね。HAPPY WORLDってどっちが入ったらどっちかは出なきゃいけない激狭ワールドではないじゃん、だからもう二人で入ってくれたらそれでいいんだよ……それがあなたの幸せであり相手の幸せであり全オタクの幸せでもあっからよ……って思いを胸に、初詣でも七夕でもどんな機会でも「かぶおのが幸せに生きてくれますように……」と願い続けています。二人が添い遂げるさまを一生をかけて見守りたいカップルです。同じ墓に入ってくれ~~そしたらまとめて墓参りに行くから……アッでもやっぱり私より先に死なないでください幸せに生き続けてください頼みます(情緒不安定おたく)

 

雨隠ギドさん「密室の密かな星」

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続いてこちら、「甘々と稲妻」等でおなじみの雨隠ギド先生。BLも百合も一般レーベル作もなんでも描かれる、そして軒並みおもろいというそれはもう中華も和食もイタリアンもフレンチも作れます系料理人みたいな、向かうところ敵なしな作家さんです。

今作は学生時代の同級生がたまたま隣同士の物件に探偵事務所をかまえてしまったところから、ひとつの案件にふたりで協力して向き合うようになっていく……というお話。探偵バディという雰囲気でもありその実、ゴリゴリのライバル関係でもある二人が協力していくさまが素敵です。だって端的に同業他社ですよ、国道沿いのバカデカセブンイレブンの敷地内にローソンが建つみたいな状況ですよ、その状況で食い合うことなくお互いに手を取り合っていく二人、大人の鑑すぎるじゃん……。

作品の後半、とある重要な事実が明かされる展開になるのですが、独白からのエンディングまでの駆け抜け方が大変ドラマチックであり、そんでまた後日談の日常描写とスケベ話がめっっっちゃくちゃ良くて、満足感と破壊力に燃え尽きることうけあい。本当にもうとんでもない破壊力なんです。破壊力が高すぎてパッて顔あげたら自分の周り荒れ果てた荒野になってましたからね。本当です。真実ですよ。

とにもかくにもギャグパートからハラハラミステリー展開、泣けるパート、ほっこりパートまですべてを網羅した作品なのでとりあえず読んでほしいです。私が10年前のギャルだったら「とりま読んでみw」と言いながら道行くすべての人のかばんに今作を押し込むというテロを仕掛けていた可能性があります。そのくらい良!です。何度も言うけど特に後日談。この他愛ない日常+スケベも、あらゆる問題が解決したからはじめて得られる「他愛なさ」なんだよな~と思うとマジでガチで結構エグめに泣いてしまいます。泣かすな!大の大人をスケベで泣かすな!スケベだな~と思いながら泣くという感情の大渋滞引き起こさすな!

 

 

ここからはちなみにのお話なんですけれども、なんと飴パラと密室、公式でコラボしています。なんと………それぞれの先生が………自キャラと相手キャラを絡ませた………クロスオーバーまんがペーパーを………描いておられます………!!神々がこうして神々のお遊びをおたしなみになられたあと、我々にその片鱗を見せてくださる現象、神々の理想郷(アルカディア)って名づけていい?神々の理想郷(アルカディア)、いつでも何度でも待っています……。

 

ということでバディ・ブロマンスのおすすめ作品でした。

 

 

夏!学生!青春!ときめき!なBL漫画紹介(装丁へのLOVE♡を添えて)

山梨県内もついに梅雨明けしましたね。

なんだかまばたきしているあいだに冬と春がすっ飛び蝉が鳴き始めたようにしか感じられず、戦々恐々としています。ぼんやりしているあいだに2020年後半という異世界に転生していた件!(笑)(笑)(笑)

 

さて、夏には夏のよきBL、ということで、今回は夏に読みたい青春学生BL漫画作品をご紹介してまいります。かの清少納言先生も「春はあけぼの、夏はLOVE♡」とEXITがやってそうなマイムをしながら言ってたと思うのですが、やはり夏に読む青春を取り扱った作品はひときわLOVEが極まります。氷をたっぷり入れた麦茶をかたわらに用意して読んでください~。

 

 

たしさん『アイスクリームライン』

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まず見てほしいこの装丁。夏!!青春!!!!以外の何者でもない爽やかな装丁を、上下巻で青と赤にわけることで朝日から夕日までの時間の流れも表現してくださっている(個人の感想です)おかげで、情緒レベルがいきなりカンストしています。表紙だけでわかる、こいつは只者じゃねえ、ヤベエ作品にであってしまったぜ……感。本屋でガタガタ震えちまったよ。通報しないでくれな。

 

海辺の街を舞台に、中3の夏からはじまり季節を巡りながら変わっていく二人を描写した作品です。光太くんはサーフィン、満くんは舞いとそれぞれに打ち込む対象があり、またそれぞれに自分の力の及ばなさや諦めも覚え、互いの存在に触発されたり救われたりしつつ成長していくお話です……つまり「「「Love」」」ってワケ…………

 

互いがサーフィンをしているところ、舞いをしているところを実際に見るシーンは、どちらもとんでもなく鮮烈。まるで自分が目撃したかのように錯覚します。見て……ないんだよな?私はこの世界に存在してないんだよな?あれ?いや、やっぱり私実際に目撃してるんじゃないかな。記憶あるもん。光太くんと満くんにそれぞれスイカバー奢った気がする。とにかく記憶があるもん。

 

何よりぐっときたのは光太くんの「本当に悔しいってきもちは、一生懸命やったことある奴にしかわからない」という言葉で、この感性を共有しているからこそただのクラスメイトから「共通言語を持った二人」として強固な絆が結ばれていくのほん……ほんとに……何度読み返しても都度100リットル泣いてしまうので、そろそろ店の前に小さめの池くらいなら作れる気がします。

 

 

市川けいさん『ブルースカイコンプレックス』

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タイトルがすでにエモの領域ですね、夏、青春、モラトリアム等々を煮詰めて抽出した一番美しい、いっときの輝きだけを形に残して言葉に落とし込んでるじゃんハーイこの時点で10000ポイント贈呈です!おめでとうございます!私がバーテンダーだったらブルー系のリキュール使ってやたらきらきらした「ブルースカイコンプレックス」って名前のカクテル作って夜な夜な思いを馳せながら浸ってしまうところだったね。あっぶね。

 

真面目!品行方正!なメガネくんと何かと問題児なヤンキーくんという、どシンプルな学校生活で完結していたら交わらなかったかもしれない点が、そ、そこまで交わっちゃうんですか///というくらいドチャドチャに交わった結果最高に最高な歴史を生み出してくれたという二人の親御さんに毎年お中元贈りたくなるレベルの名作。1~5巻の本編のほか、番外編として「インディゴブルーのグラデーション」も発表されています(画像参照)。

 

もともと同人誌として発表された作品をレーベルから刊行したタイトルなのですが、この装丁があんまりにもあんまりにも好きすぎて見ているだけで気づいたら頬をひとすじの線が伝っており、「コレガ……『ナミダ』……?」と心をはじめて通わせたロボットみたいなリアクションをしてしまいます。だってあまりにも美しすぎない?空気が伝わってくるじゃん、湿気の多い日中の空気が少しずつ冷えていくときの匂いがするじゃん、そうしたらもう二人がそこに存在しているジャン…………そんなの泣くだろうがよ…………A4の5000倍サイズのポスターにしてくれ……天井に張って眠りにつきたいから………。

 

あとこの作品の面白さの一つとして「1巻を読んだ段階ではまだ攻守ポジションが分からない」という点を挙げたいです。続刊ではじめて一線をよいしょー!と越えるまでは、終始どっちともとれる雰囲気。青春学生モノはセックス描写のない作品も多い中で、最初はプラトニック、途中からどエロくなっていくのがまじでありがたすぎて窓開けて「ありがとーーーーー!!!!」と叫んでしまう。二人が本当に対等であることも十分に伝わってきて、さらにときめきが増すのでウ~~~ンどっちだろな~~~と巡らせながら読んでみるのもいいかもしれません。

 

古矢渚さん『君は夏のなか』

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こちらの装丁は「夏」を一枚絵で表現してください、というお題に対するベストアンサー殿堂入りを果たしていると思います。「「夏」を一枚絵で表現してください」がケータイ大喜利のお題だったらこんなのバリサン越えてフリーWi-Fiレベルの大正解だよ……。そして簡潔ながら確実に胸をつかんでくる帯。あまりにも完成されていて、aikoの『青空』を聴きながらぼんやり眺めていたら8億年の時が過ぎ去っていました。

 

映画という共通の趣味をきっかけに意気投合した二人が「夏休みを利用して映画の舞台となっている場所を聖地巡礼する」という目的のもと、ゆるやかな逃避行へと駆け出していくお話。そんなのさあ!!我々が憧れる学生のもっとも正しい、健康的な姿じゃん!!!そりゃ急にキレたくもなるわ!!!たまんねえな!!!!!!

 

無人の駅に降り立ったり、美味しいものを食べたり、川に入ったり、雨に降られたり、そのすべてがウワ~~絶対数十年後も大事な思い出として残ってるやつだ~!というときめきに溢れていて旅行欲もかきたてられます。旅行に連れ出すのは佐伯くんのほうで、そんな佐伯くんを精神的に引っ張りあげるのは渉くん、というのもむちゃくちゃ理想の関係。そんで最後のモノローグ「その映画のラストシーンは海で~……」これ、マジマジのマジで、天才の所業です…………。映画一本見終わったんかな?という読後感に存分に浸れる終わり方……ラストまで愛たっぷり……。

 

初回限定版の小冊子では、本編の前後にあたる冬や春のお話も収録されているのですがこちらもまた夏とは違ったときめきに溢れています。季節が一周しても二週してもこうやって彼らは彼らの道を進んでくれるだろうと想像できる余白がある、その事実だけで心安らかになってしまう……𝒌𝒊𝒔𝒔………

 

月子さん『トコナツ』

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『彼女とカメラと彼女の季節』『つるつるとザラザラの間』『最果てにサーカス』などの作品で知られる月子さんによる、「夏だから○○しよう」というタイトルに従い、夏だから夜更かしして遊んでみたり、プールに行ってみたり、肝試しをしてみたり、ウェイウェイ遊ぶ男子高校生たちのお話。厳密にはBLレーベルの作品ではなく、「NOT BL」として売り出されている作品なのですが、読んでからそう知らされれば「エッ違うの!!?」となるくらいにはナチュラルにニアリーBLなのでご紹介させていただきます。

 

NOT BLの教えに従い一般誌作品としてとらえるにはちょっとこう、この、表紙からいきなりだだもれる色気、エッ、これ、いいんですか、えっ、やぶさかではないけども、な、なに…………とたじろいでしまいそうですが、今作のテーマは「男子校にまぎれこんでいる隠された女性性を持った男の子」ということで、これが「BLじゃない」からこそ「BL的にめちゃくちゃウマい」という究極のパラドックスをはらんでいる作品なのです。だから本当、難しい話なんですけど、私もBLとは非なるものとして消化する方が絶対にいいな……と思ってはいて、だけどここで紹介してえよだってみんながだいすきなやつなんだもん……という気持ちもあり……難しいんですよ……とにかく……もう東大卒くらいじゃないとこの問題取り扱えないんじゃないかと思うくらい難しいんです……(アホが想像する「頭いい」イメージの貧相さがウッカリ露呈)

 

そして1巻のあとがきに書かれている作者・月子さんの何気ない一文で、世界が簡単に反転するのがこの作品のすごいところです。そこまで読んだらもう不可逆の法則、何度読み返しても「そういう可能性もあるのね〜!!」という気持ちに侵されてしまうという完成度の高いミステリーのトリックみたいな経験ができるので、ぜひあとがきまで読んでください。

 

ということで、暑い季節に読みたい青春学生BLでした。おすすめあったら教えてくだたい!

 

三密を避けつつ楽しみたい♡イマドキ女子のための密で蜜でいっそ接なトレンド作品特集♡~できれば体位別にまとめたい所存~

タイトルは前回の記事からコピー&ペーストです。万が一「どういう意味ですか?」と聞かれたとしても「どういう意味……でしょうか……」と首をひねることしかできません。

 

過去の自分と寄り添えないままに、とりあえず押さえておきたい定番作品を集めました。ついでに何巻でどのようなPlay of Prayがあったのか、自分が読み返すときのためにまとめようと思ったのですが、年齢制限を設けていないブログのためPlay no shousaiを書くことでBANされる危険がはらむことから、基本的にぼんやりとした言い回し、および隠語を多用しています。皆さまにおかれましては仮面舞踏会にやってきたつもりで、持ち前の洞察力にてそれとなく察していただければこれ幸いです。

 

 

ロデオ編

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トウテムポールさん「東京心中」2巻 愛してるって言わなきゃ殺す

 

かねてより店長のバチボコおすすめしゅきしゅきしゅきぴがとまらないっ…!作品として度々ご紹介しているトウテムポール先生の東京心中シリーズ。仕事を探しているとき、ぬる~っと軽い気持ちでテレビの裏方職に就いてしまった主人公の宮坂くんが、直属の上司である矢野さんとともに忙殺されつつ成長していくハートフル社畜ブコメです。

 

2巻「愛してるって言わなきゃ殺す」には「ロデオ」という話があるんですが、こちらはその名の通り矢野さんのロデオ回です。まろやかに酔っ払った矢野さんが「押し倒されるの好きじゃねーって言ったろ」という名言とともにロデオボーイと化する神回。

「押し倒されるの好きじゃねーって言ったろ」、あまりにも名言すぎるので寺山修司の教えに習って名刺サイズの紙に書きとめいつでもポケットに忍ばせて生きたいです。

 

 

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宝井理人さん「テンカウント」5巻

 

言わずと知れた精神科医潔癖症患者のセラピー系BL。コロナとか関係なく常日頃から消毒バッチリマスク手袋着用という徹底ぶりの城谷さんが、穢れへの恐れを紐解くうちに互いの精神の深淵をのぞいたりのぞかれたりしていくお話です。

 

矢野さんのような気まぐれこあくまロデオも大大大好きですが、城谷さんのように「そんなつもりは毛頭なかったのに気が付いたらロデオっていた……!!?」みたいなパターンも大変うるわしゅうございます。どのような流れでなぜロデオってしまったのか、その流れはぜひ本編にてご確認ください。流れるように美しく、ごくごく自然に気が付いたら、えっ、ロデオってる……!?というアハ体験のような神業に息を呑むでしょう。

 

 

後ろからHold Me Tight編

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 中村春菊さん「世界一初恋~小野寺律の場合~」14巻

 

アニメ化、映画化、コミック、小説、オリジナル雑誌「エメラルド」刊行その他もろもろ、前代未聞の幅広い展開で読者の度肝を抜いていく金字塔的シリーズ。コミックのおまけとして「推しカプの絵柄つき婚姻届(※実際に各自治体への提出が可能)」という特典を展開したときにはさすがに天を仰ぎました。

少女マンガ編集部を舞台としたこちらの作品、理不尽な仕事にも全身全霊で向き合い健気に取り組み日々成長していく律ちゃんからやる気元気勇気を受け取っている社会人は全世界に9億人いるとされています。

 

そんな律ちゃん、夜の編集部の編集作業におかれましてはなにかと後ろからHold Me Tightの傾向にあります。というか高野さんの余裕がなくなればなくなるほどその傾向が……そういうとこも大好きだよ高野さん……。そして新たな刺客も登場しなにかとトラブル続きの14巻はHold Me Tightがますますタイトになっています。

早く「恋に落ちるまで0日」を迎えてほしい気持ちと、一生この世界線の中で遊び続けたい気持ちのどちらも諦めきれず、これがBLゲーおよび乙ゲーギャルゲーだったらこの分岐のセーブデータ一生消せないな……と思いながら新刊を楽しみにしています。

 

 

男なら正々堂々正面から、ただし足腰に負担をかけないように座ろうね編

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桜日梯子さん「抱かれたい男1位に脅されています。」5巻

 

「だかいち」ことこちらの作品は、抱かれたい男ランキングワンツートップが付き合っているというなんだそりゃ夢しかねえなありがとうな!!!!という設定のお話。帯の通りアニメ化もされています。作品が進むごとどんどん新しいキャラクターが登場し、物語の舞台は日本を飛び出してスペインへ行くなどスケールも大きくなっていき、ただの一読者にもかかわらず「ふふ……二人とも、いつのまにかバカでっかくなっちまってヨ……」と推し俳優の幼少期を知っているマウントおじさんみたいな気持ちさえ味わえます。

 

そんな今作の年下わんこ天使嫉妬深々溺愛攻めという盛りすぎ攻め様のチュン太氏は正面+座る方向性でのHold Me Tightをくりだしてくるのが愛すべきポイントです。足腰大事だもんね。俳優業に差し支えたら困るもんね。特に愛すべき5巻、パパラッチ編という不穏なエピソードではありますが、この巻でパパラッチ編も決着がつくので「推しになにかあったらと思うと怖くて先に進めない」という方もぜひぜひ。

 

 

逮捕しちゃうぞ(なにも悪いことしてないのに)編

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はらださん「カラーレシピ」

 

もはや体位でさえないのですが、警察官の方が犯人逮捕のときに使う必殺ひみつ道具を警察でもない人が悪いこともしていない人に対して使うシチュエーション、とても良きだネ……ニチャ……となるので項目を作ってみました。ちなみに前述のだかいち5巻にも同様のシチュエーションがございます。最高か?おいおい最高か?最高パトレイバーが出動するぞ?ピピーッ最高です!逮捕逮捕!あっちもこっちも逮捕だ!最高!!

 

はらださんの作品は肉体的・精神的に持っていかれるような過激なシーンも多く、あらゆるすべての方へ両手放しでおすすめしていいものかと悩むこともありますが、自分の魂(ソウル)に正直になればはらださんの作品への多大なLOVEを見過ごすことはできず……特にカラーレシピは最初から最後まで「「「「好き」」」」のみで構成されていると言っても過言ではなく、許されるのであればお見合いの場などにおいて「ご趣味は?」等の質問をすっ飛ばしてこれを読んでいただく形で自己紹介を完了したい所存です。

おなじサロンで働く美容師同士のBLなのですが、読み進めるごとページのあちこちに張り巡らされた不穏な空気がじわじわと一つの形に集約されていきます。このときの身体感覚、とても読書体験で得たものとは思えなくてヤバドラッグ的に何度も読み返したくなります。あんまり説明しすぎると色々ネタバレになってしまいなんとも言えないのですが、ぞわぞわ感とサイコパス展開に抵抗がなければ何卒何卒。

 

以上!

「三密を避けつつ楽しみたい♡イマドキ女子のための密で蜜でいっそ接なトレンド作品特集♡~できれば体位別にまとめたい所存~」でした!

ところで「三密を避けつつ楽しみたい♡イマドキ女子のための密で蜜でいっそ接なトレンド作品特集♡~できれば体位別にまとめたい所存~」ってなに?

 

Tagomago甲府店密やかに4周年

Tagomago甲府店です。

 

閉め切った小さな空間で長時間過ごすことを前提としている当店、どう頑張っても三密を避けようがないために4月頭より臨時休業を続けております。緊急事態宣言が解除されるGW明けには「恥ずかしながら、帰って参りました……」の決め台詞とともに全世界に敬礼しようと考えていたのですが、現状ではなかなか難しそうですね。

 

そうこうしているあいだにもハイパーヤバヤバ最高作品がどんどん発売されているので、早くお店を開けてこの作品ヤバヤバのヤバですよ!という旨を発信しないと情報の過入力による窒息死しかねません。ハッピーのインプット、多すぎても困るんだよなア……(クソでかため息)ったくしょうがねえなア……。

 

また、事態が落ち着いてまたオープンできるようになったあかつきには、色んな概念を詰め込んだ新しいドリンクメニューを出したいと目論み虎視眈々と準備しております。

 

皆様におかれましては、日ごろ色んなアレからソレを受信し、ニコニコされていることと存じます。まあまあ皆まで言わずに……ネ、ほらネ、いわゆる概念をネ、生活に取り込んでニチャ……ってするような、サ……。概念を感じる服とか、アクセサリーを脳死状態で購入しちゃったりなんかしてサ……。大丈夫、正直になっていいんだよ……おぢさんも仲間だから、ネ!

 

そんな皆様の生活に、少しでも寄り添えないかと考え実現を試みた概念ドリンク、通称GD。詳細はまた改めてご紹介できればと考えております。震えて待て!

 

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概念とは一切関係ありませんが2020年5月1日をもちまして当店も4周年を迎えました!ヤッピー!絶賛休業中につき、家の掃除をして汗だくになって熱中症っぽい症状に悩まされて倒れるように寝ながら「あ、もう4年だね……」と気づきました。

 

今後とも是非このくらいのスタンスで、できるだけ長く続けていければ……と願っております。コロナ明けには何卒よろしくお願いします……!

 

ここで突然の次回予告

三密を避けつつ楽しみたい♡イマドキ女子のための密で蜜でいっそ接なトレンド作品特集♡~できれば体位別にまとめたい所存~

大事な大事なこの局面で

Tagomago甲府店です。

 

2020年4月。大事なこの局面で、気づいてしまったことがあります。ともすれば昔から気づいていながら、あえて注視することを避け、気づかないふりをしていたのかもしれません。自分の生き方、物の考え方の根幹にも関わることであるからこそ、認めてしまうのが怖かった、そういうことなのでしょう。

 

それは。

 

眼鏡受けとはとてもよいものである、ということ。

 

眼鏡受け、それは数多の性の癖においても比較的ポピュラーな存在ですが、ゆえに身近すぎるためか正直ピンときておらず、自白するとこれまでの人生でほとんど意識したことがありませんでした。しかしここへ来て、若輩者のわたくしも多少大人になれたということなのかなんなのか、眼鏡受けがグイグイ来ているのです。これまでの無反応はなんだったのかと、なんかしらんけどアイデンティティとかなんかそういうもんを喪失してんじゃないのかと不安になるほどに。例えるならそう、何にも変えられないほど大事なのに、なかなか気づけない親の愛、みたいなもの、なのかな……。

 

そこで今回は最高of最高(つまり最高)(最高)な眼鏡受け作品をピックアップいたしました。

 

丸木戸マキさん『ポルノグラファー』シリーズ

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初手、えちちち表紙でどうもすみません。えちちちで眼鏡受けで年下攻めですいません(^^;)えちちちパーティを止めないで(^^;)(^^;)

ポルノ小説家の先生とばったり出会い怪我を負わせてしまった大学生が、そんな先生の代わりにポルノ作品の代筆バイトをするというお話。眼鏡とはインテリのアイコンですが、それが小説家という確固たる職業と組み合わされたときどうなると思いますか?死人がでます。

そのくらい殺傷能力の高いキャラクターの木島せんせ、どういうわけか常に人妻感および未亡人感をまとっていて、何をどうやって生きていたらそのようなスキルを身につけられるのかまるで分からず、その謎めいた雰囲気がまた怪しげなエロティックを助長するという……つまるところBL界の壇蜜

木島せんせの「何をどうやって生きているのか」は、続編および過去作「インディゴの気分」を読むことで少し見えてくるのでぜひあわせてお読みください。それから実写ドラマ化もしておりますので自宅で暇をもてあましている方はこの機会にぜひぜひ。ご家族の目が気になる場合は、家族が寝静まったあとこっそり起きて観ることをおすすめします。ギルガメッシュないとを観るときの気分も思い出せます。

 


鈴丸みんたさん『落花流水のホシ』

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まずばちくそに絵がきれい~~~~~!!!!!!!全部のページがA4ポスターに耐えうる~~~!!!!許されるならすべてのページをA4サイズに引き伸ばして壁一面に貼り散らかしてえ~~~!!!そういうストーカー攻めみてえなことしたい……許して……頼む……頼むよ……。

受けの秋人くんは眼鏡・和服・呉服屋の息子・お屋敷に一人住まい・夜な夜な自宅にモブを連れ込む純情ビッチという特盛具合。数え役満かよ……勘弁してください全部好きです。

鈴丸みんた先生の作品は、どの作品のキャラクターも健気でひたむきで読みながら親心をくすぶらせ倒しむせび泣いてしまうのですが、鈴丸みんた先生作品の中でも秋人くんはかなり上位に健気ででも意地っ張りな面や不器用な面もあって、気を抜くと甲府市内全土に広がる声で「好きだ!!!!!」と叫んでしまいます。特に夜、寝ている姿に気づくとあるシーン、本当に本当に好きでA4サイズに引き伸ばしたい………。もしくは名刺サイズにしてラミネートしてパスケースに入れて持ち歩かせてくれ………。

 

 

秀良子さん『リンゴに蜂蜜』、『彼のバラ色の人生』

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大学の先輩後輩関係を描いたシリーズ。リンゴ→バラの順番で読んでいただければ2人の関係性やなんやかやがわかりやすいかと思いますので、リンゴ→ゴディバ→バラというしりとり方式で覚えてください。チョコレートを挟んだときにしっくりくる順番、それが正規ルート。なぜならチョコレートのように甘い2人だからね…(Forever Love…)

さてこちらのネガティブ眼鏡受けの夏樹さん、とにかく随所で後ろ向きなのですがその石橋を叩きすぎてぶち割って「これだから俺は…」となりそうな雰囲気、全日本守ってあげたい属性モンドセレクション金賞受賞おめでとうございます。初読の際、あまりにたまらなすぎてときめきの供給過多からどういう仕組みなのか酸欠を引き起こし座っていられなくなったので途中で一旦休憩を挟みました。薄汚い天井を見上げながら「これは金賞だ……」と呟きました。

そんな夏樹さんのピピちゃんは、夏樹さんにとって「宇宙人」な陽キャ属性のコマノくん。爽やかながらときどき見え隠れする執着心のバケモノでは???という気配、非常にわくわくします。オラわくわくすっぞ……。イエローベースで眼鏡受けに萌えている孫悟空がわくわくすっぞ!

特に「リンゴ~……」の方に収録されている海の短編は、コマノくんのかわいさがはちきれんばかりに詰め込まれつつ、この世で一番美しい海の描写によって爽やかにまとめられている最高に味わい深い一作です。ぜひ爽やかなAOR等々をたしなみつつ読んでもらいたいです。


おげれつたなかさん『エスケープジャーニー』

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眼鏡といえばインテリのアイコン、と言ったな。あれは嘘だ。もちろん眼鏡インテリも大大大好きだ、しかしここに召還せし、常識を打ち破るパリピ眼鏡受けの直人くん。チャラ眼鏡の扉を今強引に開かせてしまう、すさまじい力の持ち主。

攻めの太一くんも、爽やか好青年な面と同時にどうしようもなくこじらせた部分も持ち合わせているいい意味で人間臭い、最高に愛おしいキャラクター。

帯の通り、ウェイウェイ大学生のピッピロピーストーリーかと思いきや内容はすこぶる真面目でひたすら泣かされます。 同先生の「ヤリチン★ビッチ部」のテンションを期待して読み始めると温度差で風邪を引く可能性があるので、「はだける怪物」あたりでかけ湯をしてから読むことをおすすめします。

そして今作の推しポイントの一つに「女子がかわいい」があります。男性しかいない世界ではなく、きちんと女子も存在し描かれる良作は本当にまじまじで良作だ~~と思っているのですが、女子を添え物もしくはスパイスのように扱うのではなく一人のキャラクターとしてきちんと厚みを持って描き、かつ彼女たちもメインキャラクターとともに作品の中で変化していくのでもうっっ全員好きっっ!!なんかしてあげたくなっちゃう!!!よかったらおばちゃんの手作りクッキー食べてっっっ!!!ネッッ!!!

 

ということでおすすめの眼鏡受け商業BLレビューでした。お粗末様で御座いました。

 

新年のご挨拶〜琴の調べにのせて〜

あけましておめでとうございます!2020年もTagomago甲府店をどうぞよろしくお願いします!

 

 

というブログを書いている途中にまばたきをしたら2月も半ばになっていました。時の流れって怖いですね。勘弁してほしいです。

 

 

なにはともあれ本年もよろしくお願いします!

 

 

今年は「新春恒例開運Tagomagoみくじ」をはじめて実施しました。

はじめてです。新春恒例と銘打っていますがまるっきりはじめてです。初対面です。「アッ……○○さんですか……?アッ……いつもツイッター見てます……ヘヘッ……好きです……とか言っちゃってッ……タハッ……ヘヘヘッ……」ってなるくらいの初対面っぷり。

 

 

「そして新春恒例開運Tagomagoみくじのお時間です」のいや存じませんけど感。

 

あまりにもスロースターターすぎてあまり結果の枚数を作れなかったのですが、できることなら少なめに見積もっても100パターン程度は作りたかったです。皆様の新年が華々しいものとなるよう、「今年こそは宇宙との交信ができるようになります」くらい言いたかったです。

 

今年は宇宙とも交信して、超絶健康的な肉体を手にし、時間の管理能力が爆速で身につき、好きな作家様の作品が全世界で評価され、大好きな作品の続刊に次ぐ続刊が刊行され、各種イベントやライブは大成功、推しはこの世で一番の幸せ者になり、潜影蛇手で優勝することを心より願いますどうぞよろしくお願いします!