【BL漫画もそうでなくても】才能に嫉妬する系作品は素晴らしい
Tagomago甲府店です。
8月に駆け込むように記事を書き、「次の更新は9月中に」などと言いながら気がつけば12月。時間の流れる早さは膝が笑うほど恐ろしいですね。
現在も9月125日ぐらいのように考えれば、まだ9月中と言えないこともないです。物事は捉え方次第だと、高校時代のスタン・ハンセン似の恩師も言っていました。
さて、最近の入荷状況を踏まえて、おすすめの作品をまとめました!
そして最近「才能があるキャラクターと、それによくも悪くも嫉妬や何かしらの感情を覚えているキャラクターが出てくる作品は名作率が高い」と気づいてしまったので、今回は「才能の話」が尊い作品をピックアップ。
PEYOさん「ボーイミーツマリア」
高校の演劇部を舞台にした作品です。ヒーローに憧れている主人公が、「マリア」と呼ばれる演劇部のマドンナと出会うお話。演劇の素人である主人公と、才能を認められているマリア、それぞれの思うところが丁寧に描写されていきます。
こういう言い方が合っているのか分かりませんが、一読して「よ、よく出来てら~!!」と空を仰ぎました。本当に細部まで丁寧に作られていることが、絵からもストーリーからも伝わってきてすごくぐっときます……。
トジツキハジメさん『カナさん』
バイト先の居酒屋によくやってくるバンドマン『カナさん』について掘り下げていくお話。
重要なネタバレをはらむのであまり語れないのですが、普通なら「ここで作品が終わってしまうだろう」という展開のその先があるところが好きです。才能のある人本人を語るのではなく、周りの人を語ることでその人が浮き彫りになっていく構成が、本当に本当に好きです。
倉橋トモさん「ハローモーニングスター」
かねてより倉橋トモさんの絵が好きすぎて、これまでにも「か、顔がいい~!!」と崇める機会が多かったのですが、今作はページをめくるたびにそのセリフを惜しみなくつぶやけるアイドルの世界を舞台にした作品。顔のよさ5億点。
仲間であり、同時にライバルでもある同期アイドルたちの中で「才能があっていいよな」と言われるキャラクターと、「次にデビューするならお前だ」と言われていながら、先を越されてしまったキャラクターの確執とも執着とも嫉妬ともつかない心情がとてもリアルです。
小鬼36℃さん「あの日、世界の真ん中で」
BL作品の流れでご紹介しますが、こちらはNL作品です。音楽が好きなもののうまくいかない主人公と、陸上という舞台で成果を挙げている幼馴染の女の子。
自分の「うまくいかなさ」と、よく知っている人が「うまくいっている」ことのコントラスト。そして高校生らしい青臭さがきゃわゆい。爽やかでハッピーになります。
トウテムポールさん『或るアホウの一生』
前回の記事で語った『東京心中』シリーズのトウテムポールさん。東京心中シリーズはBL作品ですが、こちらは一般青年誌レーベルから展開されている将棋漫画です。
1~2巻は、数多の勝負を勝ち抜きながらも、将棋のプロになる一歩手前のところでくすぶっている4名のキャラクターがメイン。一人ひとり考え方も将棋への取り組み方も違うのですが、とにかく皆泥臭く将棋に向き合っているのが本当にぐっときます。
「才能なんかなくても勝ちたい」とか「なんであんな才能のないやつに負けなきゃいけないんだ」とか、あけすけな感情が包み隠さず描かれていて、読んだあとはウオオ何かせねばならん……と焚き付けられる名作です。