「玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ」読書会@甲府レポ
Tagomago甲府店です!
先日、当店にてひそやかに読書会を開催しました。
もうめっちゃくちゃに楽しくて、充実した時間だったので僭越ながらレポートさせていただきます。
今回の課題図書はこちら!
『玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ』
木下龍也さん、岡野大嗣さんの共作短歌集です。特典として、 『阿修羅ガール』『好き好き大好き超愛してる。』などの舞城王太郎さんのスピンオフ小説が2編ついています。
今作は男子高校生ふたりの、7月の七日間を描いている作品ですが、突如文字の組み方からフォントから様子がおかしくなったり、短歌に盛り込まれるキーワードが何やら不穏な気配を放ちはじめたり、かと思えば一番大切な部分はとてもぼやかされていたりと、読めば読むほど心がざわざわしていきます。
帯に「ミステリー」という言葉があるため「やっぱりこれはミステリーなんだよな……?」と読み進めていくものの、受け取り方は読み手の数だけあり、考察厨の心をなんともくすぐります。もちろん短歌自体の鮮やかさも魅力。
文字数が限られている短歌は、 ちょっとしたモチーフや単語から想像することが欠かせませんが、いきすぎると一つの見方にとらわれて別の読み方がまったくできなくなるので、読者会を通じて皆様のお話を聞いていて「なるほどーー!?」ってことが500回くらいありました。
いかに自分が「こうなんだろうな」と設定やシチュエーションを勝手に思い込んでいたかと……そう、例えるならくそ腐女子俺氏が表紙だけを見て「ハハーンこの黒髪くんが受けね!」って読み進めていたら、いざそういうシーンで「アッッッ!?逆!!!??」となるようなあの感じ。思い込みってまじで悪癖の極みだな……と猛省。
最後に、参加された方が「帯以上には語れない」とおっしゃっていたのがとても印象的です。
本当にそんな感じで、読めば読むほど知りたいことが増え、色んな人の意見を聞きたくなりながら、ここに書かれている以上の真実はないようでもあるし、そもそも追おうとしているもの自体一体何なのかと思うし、でも知りたいし……というジレンマに奥歯をかみ締める思いです。
『玄関の~…』に関しては、何度でも読書会を開いて、一人でも多くの人の感想や意見や考察をお聞きしたいので「読んだよ!」という方のご一報をいつでも強火でお待ちしています!!
音読したい!熟読したい!第1回ヤベェ本選手権
Tagomago甲府店です。
店内の蔵書を眺めていて「おいこの本最高だな~!?」と新鮮に感動することが結構頻繁にあります。
普段ご紹介している作品とは少し毛色の違う、素敵なヤベェ本たちをご紹介していきます。
まずはこちら『NEWSダイジェスト』。
なにやらアカデミックな一冊かと思いきや、取り上げられるニュースが「嫁がセックス中にオペラを歌いだして困っている」とか「チアリーダーのパフォーマンスがセクシーすぎておじいちゃんが死んだ」とか「まじか?正気か?何を言っているんだ?」と言いたくなるニュースばかり。
ぜひ、アナウンサーになったつもりで音読してほしい。真面目に音読すればするほど、不思議と気分が高揚してもっとニュースを知りたくなります。
幼女の一人称が「あたち」だったり女性のエロティックワードとして頻出するのが「そこよっ!イイッ!」だったりと、全編なんとも言えない絶妙なノリを仕掛けているのが読みどころ。いい。めっちゃいいぞ。
続きまして岩崎剛さん著『怖いサギ師の手口』。
山梨県は甲府市内、毎日のように「警察署からの~お知らせです~」と振り込め詐欺の注意勧告無線が流れますね。ところであの詐欺ってなんでなくならないの、どうやって詐欺ってるの、など気になったときには加害者様の供述を読みましょう。
「ヤベェ」の方向性が他とはやや違いますが、なんにせよヤベェ本であることに違いはないので、熟読したのち有益な情報は実家のお母様やおばあ様にお伝えしてください。
続いて『本当にいる世界の「巨人族」案内』。方向性を365000度変えてきてすみません。
先日、お客さまに「店長、これ、何?」と端的に尋ねられた一冊です。残念ながら答えらしい答えは見つからなかった。店長として非常にふがいない。誠に遺憾。
フォーモリアからシュテンドウジからジョン・マンデヴィルの巨人まで、神話・オカルト・美術に登場する巨人を集めた一冊。
進撃の某を読んで「モブ巨人になって駆逐された~い!」と願った経験のある女性は、この本を読みながら「ねぇねぇ、どの巨人になりたい?」と恋バナしませんか。
最後にコアムックシリーズ 『画像で見る放送禁止作品』。
コンビニのマガジンラックに雑にささっていて、ちょっと読みたいけど立ち読みする勇気がなかったあなたは、ぜひ当店で腰をすえてコーヒーでもすすりながら熟読してください。
前半は「倫理とは規制とは……」と考えさせるページも豊富ですが、後半へいくにつれてあまりにもナチュラルにエッチページが増え、最終的には実話BUNKAタブーとかサイゾーみたいな内容と見出しの畳み掛けになるという、本としての緩急が楽しめる一冊です。
まだまだヤベェ本はたくさんありますので、少しずつご紹介いたします!そして皆さまのヤベェ本情報もお待ちしております!
その創作意欲、枯れないうちに形にしようや……!!って働きかけるタイプのブックカフェ@甲府
Tagomago甲府店です。
だいぶ出遅れましたがあけましておめでとうございます……!
皆さん年始の雰囲気から解放され、来たるバレンタインへ向けて推しカプの小ネタを仕込みに忙しい頃合かと存じますが、今更ですが今年もどうぞよろしくお願いいたします!
店長は、今年の抱負を「やりたいことめっちゃやる~!」に決定しました。
いきなり2018年の幸先が思いやられるアホアホ抱負ですが、オタクとして宿命(カルマ)を背負って産まれ、不運(ハードラック)と踊(ダンス)っちまった(主に思春期の数多のやらかしを指す)からには、一瞬のパトスを取りこぼさないようやりたい!!!って思ったことに秒速で取りかかる奔る奴隷になりたいです。
だからこそ最近は「BL漫画読みにきました!」という方はもちろんのこと、「作業するために来ました」という方も増えて本当~にめちゃくちゃうれしいです。
お絵かき、まんが描き、小説書き、アクセサリーづくり、衣装づくり、痛バッグづくり、映像づくり、ぬいぐるみづくり、うちわづくり、なんでも大歓迎です~!
パソコンでも材料でもなんでもお持ち込みくださいませ~コンセントもWi-Fiもがんがんお使いくださいませ~!\ウィーフィー!ウィーフィー!/
こんな感じでゆるゆる作業しつつ、疲れたら甘いもの食べつつ、まんが読みつつ、ふらっと外出たりしつつ、まったり休日しませんか!(撮影許可ありがとうございました┏○ ペコリ)
ところで初心者向けデジ絵講座してくださる方を絶賛募集中です。お客様の中にッ!お心当たりの方はいらっしゃいませんかッ!
2017年版このBLが良かった~おいでよ新たな性癖の森編~
Tagomago甲府店です。
前回のブログを書いてから、まんがを読んだり小説を読んだりアイドルを育てたりだらだらしたりしていたら光よりも速く時間が過ぎ去り、本家「このBLがすごい!」様が発表されてしまいました。なんたるスケジュール管理能力。後出し感はんぱないけど今回は~おいでよ新たな性癖の森編~です!
◆倉橋トモさん『クラックスター』
『トモダチ以上のこと、シたい。』『ピンクとまめしば』などの名作をどんどん発表している倉橋トモ先生。
そして今作『クラックスター』、ブラック×ピンクの適度にエロいこちらの表紙そのものが、他でもない伏線であり他でもない~おいでよ新たな性癖の森~でした。
かつての同級生と久しぶりに会ったら「同級生こんな感じだっけ??えっちすぎない??」的な状態になるところからの、倉橋先生いわく「寝とられ系ヒモBL」。ヒモとかクズとかが元々好きな人にとっては、倉橋先生のかわい~絵柄で描いていただけるなんて僥倖もいいとこ……っ!
とらのあなで購入したのですが、特典リーフレットのシノくんよりも色々と貪欲なミオちゃんにも非常にときめきました。強気で積極的な黒髪受けがお好きな方におすすめしたいです。
店長はカシオ先生『心を殺す方法』(3巻4巻発売&完結おめでとうございます!)では英さんに共感する処女厨なのですが『クラックスター』以降ゆるビッチへの羨望と、今もなお心に残る処女厨的感覚がせめぎあっています。きつめのスクラムを組んで裸と裸のぶつかり稽古中。そしてじりじりとぶつかったまま年が開けてしまう……。
◆ねこ田米蔵さん『誘惑仕掛け 甘い罠』
今作のおかげでオネエ攻めという革命が巻き起こり、我々の町に嵐を呼び、枯渇した大地に雨が降り注ぎ、雨が上がって虹がかかり、小鳥がさえずり、気がついたら新たな性癖の森に迷い込んでいました。
「○○さんってイケメンだよねー!」と噂される、会社のクールでどどどえすな上司が、実はオネエでした~!というキャッチーな設定。ときめきとギャグ要素のバランスがとても良く、終わり方も「うわ~~~!?」ってニヤニヤしちゃう感じでした。
女装・オネエ好きの方にぜひ。そして「女装・オネエ=受け」という方程式をお持ちの方もぜひ、新たな森に迷い込んでください。……こわくない…こわくない……
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ということで2017年もありがとうございました!
今年もいろんな作品を読んで、テンアゲ爆アドして、いろんな作品を教えてもらって、新たな森や沼へ果敢に飛び込んで、出られなくなっても幸せで充実した1年でした!!
2018年は1月6日(土)12:00~オープン予定です、2018年もどうぞよろしくお願いします~!
2017年版このBLが良かった~悩めよ少年編~
Tagomago甲府店です。
毎年、 NEXT編集部様より発表される「このBLがやばい!」を大変参考にさせていただいております。
そして本家様に敬意を払うと同時に、独断にて「このBLが良かった(バチクソに私的)」をご紹介します。
今回のピックアップコンセプトは「主人公およびその周辺がいろいろいろいろ悩んでいる感じの素敵なお話」!
◆はらだ先生「にいちゃん」
まず装丁がかっこよすぎません?出オチか??
はらだ先生作品の中でも、「よるとあさの歌」がバイオレンス方向に飛びぬけ、「カラーレシピ」がサイコパス方向に飛びぬけているとするならば、ちょうどその中間あたりの双方の要素がもりもりな読み応え◎作品。
ごくナチュラルに犯罪系の話も関わってくるのでその辺りが気になってしまう人もいるかもですが、そういうところもはらだ先生らしいな~!というポイントです。
そして、鬼気迫るシーンも糸の切れないテンションのまま描き上げる一方、ショタや女子を描く線がめちゃくちゃまろくてまじ卍。
はらだ先生作品のキャラクターは皆、当然のように性格や言動の支柱に母親の姿があって、親の呪いみたいな話が好きな人にはたまりません。
◆春泥先生「ガンバレ!中村くん!!」
はらだ先生作品に登場する少年たちの悩みが「生とは死とは愛とは?」だとすれば、中村くんの悩みは「あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう??」系の悩み。最高!!
主人公の中村くんが、きゃわいいフェイスのクラスメイトをじっと見つめ距離を縮めようとしたり失敗したりするドタバタギャグです。お子さんからお年寄りまで安心して楽しめます。
レトロタッチもさることながら、ちらっと登場するヤンキーや美術の先生などモブキャラまでキャラ立ちしすぎてて「私は今『ハイスクール!奇面組』を読んでいるのか……?」という疑念に駆られました。
多くのBL作品がカップルっぽさやエロシーンを売りにしていると思うんですが、今作に関してはずーっとこのくらいの距離感でいてほしいと思うくらいちょうどいいです。毎日読みたい。
ハラハラドキドキ系BLも好きだけど、だからこそ息を抜ける作品がめちゃくちゃありがたいです。週刊少年ジャンプを読んで手に汗を握るのも楽しいけど、磯部磯兵衛物語で小休止する時間も大事だよねみたいなそういうことです。
次回予告
「2017年版このBLが良かった~おいでよ新たな性癖の森編~」乞うご期待。
甲府市内でフリースペースをお探しの皆さまへ
Tagomago甲府店です。
試験的に入ってすぐの部分を下駄箱スペースにしてみたのですが、とても調子が良いので本チャン採用しようと思います。
(当店ではインテリアや棚配置、本の配列など、とりあえずやってみて10週前後を目途に様子を見たのち、良さそうなら本採用するという「ハライチのターン」におけるコーナーシステムの方式を積極的に取り入れています)
具合が良すぎて、むしろ今までこのデッドスペースをどうしていたのか思い出せません。記憶喪失かな?
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最近ありがたいことに、貸切利用についてのご相談をいただく機会が増えましたので、改めてフリースペースとしての利用時の詳細をまとめさせていただきます!
◆費用
1日5,000円で受け付けております。(1グループ様5,000円のため、例えば5名でご利用の場合お一人様1,000円の計算になります)
ちなみに、3名様以上で皆さまフリータイムをご利用の場合、貸切料金の方が安くなります。
貸切時はワンドリンクオーダー必須ではありませんので、お飲み物などお好きなものを持ち寄るのも大歓迎です~!
◆時間
12:00~21:00。
21時を超えてご利用の場合、超過料金が発生しますのでご了承ください。
(日程によっては上記の限りではありませんので、詳細はご相談ください)
◆キャンセル料
ありません!
「とりあえず押さえておいて」的なご連絡も大歓迎です~
◆できること
基本的になんでもOKです!
撮影会、鑑賞会、カードゲーム、ボードゲーム、TRPG、各種パーティなどなど。
飲食物、衣装、ゲーム類など基本的になんでも持ち込み可能です。
DVDプレイヤー、ブルーレイプレイヤーの貸出もできるので、ご予約の際にお声がけください~
◆ご予約方法
電話やTwitterのリプライ、DM、インスタのメッセージ、口頭などでOKです。
その他「??」な部分がありましたらお気軽にお声がけください!
とっても楽しい女児遊びで、心身のデトックスをしよう!
Tagomago甲府店です。
以前、お客さまより「店内でお絵かきがしたいからスケッチブック的なものがあったらうれしい」というお声をいただき、みんな大好きインクポット(通称インポ)にてみんな大好きマルマンのスケッチブックを購入しました。
ありがたいことに、たくさんの方にお絵かきしてもらったり、メッセージを残してもらったり、本当にありがとうございます!!!
一方で「足跡を残したいけれど、絵が苦手」という方もいらっしゃったので、後日こちらを導入しました。
プロフィール帳&交換ノートセット!女児御用達きらきらパステルカラ~ペン付き!
本当はミルキーペンとかマーブルペンとかプチコロンにしたかったんですが、どこで売っているか分からず断念しました。あれってもう潰れてしまった駄菓子屋とか文房具店以外のどこで買えるの??
どちらのノートも、平気で個人情報を問いただしてくるので答えにくい質問は飛ばしながら、自己紹介をしたり、思いの丈を叫んだりしてください~
プロフィール帳における、店長によるくそ雑パッパラパー記入例がこちらです。
「持ち主についての質問」という項目は、自分の推しキャラへの思いを連ねましょう。
わたしは夏目イサク先生「飴色パラドックス」の尾上っちに対する思いを書きました。「似ている動物は?」という質問に、犬かたぬきかな~と思いながらも、BL様式美にきちんとのっとり「ネコ」と回答しました。
その下の持ち主の似顔絵とかを描くスペースでは「ハマりやすいキャラクターのタイプ」を描いたのですが、くしくも画力レベル2の人が描いた飴パラ尾上っちのようになり、潜在意識って怖いなと実感しました。細胞レベルで受けを厳選しています。
こちらは交換ノートです!こっちもこっちで熱く語れる項目がたくさんあって楽しいです。
そして「オリジナルおにぎりコーナー」という、無茶振りの極みのようなコーナーもあります。
あのセブンイレブン様やファミリーマート様がさまざまなオリジナル商品を展開し狂った結果、塩むすびにたどり着いている昨今、オリジナルおにぎりの考案ってめちゃくちゃハードルが高いと思うんです。
創作意欲の覇者たちが集うたごまご甲府店ですが、さすがにこの無茶振りは無茶だと思うので、今食べたいおにぎりとか、推しキャラが食べてそうなおにぎりとかを考えましょう。